2011年3月26日土曜日

Ubuntuの普及について考えてみる

私のUbuntu普及、そしてUbuntuタブレット登場への道のりの妄想を書き連ねておきます。

Linuxを使っていて一番困るのがドライバ類の対応です。
ドライバ類の提供は、多くの場合Windows版とMac OS X版のみとなっています。
ユーザーが多ければ、有志によって作られることがありますが、何かと不便ですよね。
最近では対応が進みプロプライエタリなドライバがUbuntuにも含まれるようになり、改善はされているものの、国内での対応はまだまだだと思います。

改善を求めるために一番手っ取り早いのはユーザーを増やすことです。
しかし、多くの人はLinuxに魅力を感じないでしょう。
多くの人にとって、自由であることや無料であることは魅力的な要素ではありません。
なぜなら、多くの人はPCを購入する際にWindowsのライセンスがついてきているからです。
多くの人はLinuxでも事足りますが、わざわざ移行しなければいけない理由もないでしょう。
ネットで調べ物ができて、ワープロや表計算ができ、音楽や動画が楽しめる点ではどちらも同じです。

仮に同じ土台に立たせてみるとどうでしょうか。
PCにOSは付属せず、別途OSを導入するとします。
多くの人にとって気になる点は操作性と値段だと思います。
無料でユーザーフレンドリーなUbuntuなどに目が行くのではないでしょうか。
しかし、現実はそう甘くありません。

逆ハンデの状況を打開するには、他の魅力的要素を売り込めばいいのです。
実際、Internet Explorerの時代は終わり、Firefoxなどに後押しされています。
FirefoxやChromiumも無料ですが、それを武器にしているのではなく、より速く・より軽く・より多機能なのを武器にしています。
少なくとも私の環境ではUbuntuはWindowsよりもより速く、より軽いOSです。
では、Ubuntuの魅力とはなんでしょうか。

例えば、自由だというのは個人ではなく法人や自治体に有効でしょう。
実際、会津若松市, 箕面市, 夕張市などではUbuntuやOpenOffice.orgなどのオープンソースソフトウェアが採用されています。
また、多言語対応も武器でしょう。
東北地方太平洋沖地震にて被災した福島県双葉町の方は、さいたまスーパーアリーナに避難しています。
そこでは「インターネット・コーナー」がViva! Ubuntu!!の@ubon様によってUbuntuのPCを用いてボランティアで開設されています。
そこで英語の先生に貸す際に英語環境に切り替えたら目を丸くして驚いていたそうです。

しかし、環境の移行は非常に困難です。
既存のソフトウェア、特にMicrosoft Officeはどうしようもありません。
wineで動かすという手もありますが、動作が非常に不安定です。
しかし、最近ではセキュリティ上仕事を自宅に持ち帰るなとされていることが多いと聞きます。
それならば自宅環境だけでもLibreOfficeを使えないものでしょうか。
Google ドキュメントを利用すれば、スマートフォンからも使用できます。

いきなりOSの環境を移行させるのは困難なので、まずは土台作りが必要ですが、意外とかなり進んでいます。
ブラウザにFirefox, Chrome, Operaを使っていた人はそのまま移行できます。
LibreOfficeの完成度も高まり、StarSuiteが標準搭載されているPCも多々見受けられます。
GIMPやBansheeはまだ動作は重いものの、Windowsにもあります。
クラウド化が進んでいる現在、最早OSなんて関係ないのかもしれません。
しかし、OSが関係ない時代というのはOSを乗り換える必要もない時代と言えます。

クラウド化がいくらすすんでも、ネイティブアプリにしか出来ないこともあります。
Ubuntuはネイティブ環境の魅力で売っていくしかありません。
高速起動、綺麗なフォントなどは多くの人も求めていると思います。
しかし、認知度がそもそも低いため、既存ユーザーが布教することが重要だと思います。

Linuxを難しい、と考えるのはWindowsを使いこなしている人たちだと思います。
LinuxはCUIで操作するものだという固定観念があるのでしょう。
実際、内部的にはそうでしょうが、それを言ったらWindowsだって一緒です。
確かに私はCUI操作も行いますが、UbuntuではWindowsのようにGUIだけで事足ります。
CUI操作は使えると便利なものであって、必要不可欠なものではないのです。
AndroidケータイをCUIで操作している人なんて見かけませんよね。

確かにGentooなどは上級者向けのディストリビューションだといえます。
しかし、UbuntuやLinux Mintなどのユーザーフレンドリーなディストリビューションもあります。
それらの良さを広めていく事によって認知度が上がり、OS移行の土台を固め、ブーム到来のきっかけを待てばいずれ普及すると思います。

フィーチャーフォン全盛期にWindows Mobileを使う人はあまりいませんでしたが、iPhoneやAndroidへの移行は確実に進みました。
Macbookは最近iOSの影響などで売り上げが伸びています。
Macブームが到来したら、OSの選択肢ということを考えるようになるでしょう。
その隙を狙って、既存のWindows PCでもUbuntuが使えることを宣伝すればブームになるかもしれません。

勝者が決まっていないカテゴリはまだあります。
タブレット界ではiPadの他にAndroid 3.0 HoneycombやBlackBerry PlayBook、webOS TouchPadなど激戦区となっています。
ここにUbuntuが本格参入することはできないものでしょうか?
Unityデスクトップはネットブック向けと言われていますが、タブレットにも最適化されていると思います。
MIDのSmartQはAndroidとUbuntuがデュアルブートでした。
PCとスマートフォンの中間なのだから、必要に応じて切り替えられるとなお良いと思われます。

つまり私が言いたいのは、Ubuntuにタブレット進出して欲しいということ。
Knoのような高級機ではなくとも、Ubuntuならもっとスペックが低いタブレットが作れると思います。
流石にアプリケーションまで最適化されなくとも、商品化する価値はあると思います。
発想はいくつかの企業にあるでしょが、成功するとも限らないため、どこも出さないんでしょうね。
そうすると、Canonicalが自社で作る、あるいはCanonicalがどこかと提携して作るしかありません。
Canonicalさんお願いしますとここで言っても無駄なのでしょうが、この文章を読んだどこかのメーカーの社員さんが頑張ってくれることを期待します。

2 件のコメント:

  1. こんにちは。通りすがりのものです。

    記事を読ませていただき、なるほどと思いました。
    私はwindowsユーザです。一時期ubuntuに興味をもちましたが、愛用しているソフトにて代用品はあっても利便性がいまいちということがありました。

    やはり「windowsでしか動作しないソフトがある」ということが上級者を含め、ubuntuを利用しない人が多いのではないかと思います。

    長文、失礼しました・・・。

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  2. そうですね。
    それもクロスプラットフォームのソフトウェアや、Java, Adobe AIRなどによって緩和されてきてるようですが、会社ではアフターサポートなどの面で困るでしょうね。

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